長者山官衙遺跡及び常陸国海道跡

日立市北部の洪積台地東端、標高 20から25メートルに立地する奈良時代から平安時代にかけての官衙遺跡です。遺跡の東側の低地には、「目島」などの小字名があることから『常陸国風土記』に記され、弘仁3年(西暦812年)10月28日に廃止された「藻島駅家」が存在する可能性が指摘されてきました。
日立市教育委員会による発掘調査により、幅5.5から6.7メートルの古代官道と考えられる道路跡に東接して、8世紀中葉から10世紀代の掘立柱建物群と礎石建物群が見つかりました。8世紀中葉から9世紀中葉の施設は12棟の掘立柱建物からなり、立地や藻島駅家の存続時期が合致することから藻島駅家跡の可能性が考えられています。一方、9世紀中葉以降の施設は、倉庫と考えられる8棟の礎石建物からなり、多珂郡正倉別院の可能性が考えられています。
長者山官衙遺跡は交通と密接に関わる官衙遺跡であり、常陸国北部における駅路とその周辺施設の変遷を示すだけでなく、古代国家の交通政策を知る上でも重要なものです。
住所
〒319-1301
茨城県日立市十王町伊師字愛宕脇3586外10筆
お問い合わせ
日立市役所 教育委員会郷土博物館
電話番号:0294-23-3231
ホームページ
https://www.city.hitachi.lg.jp/museum/003/p068991_d/fil/chojayama.pdf
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